日本ドローンサッカー連盟の淡路です、こんにちは。

9月10日、前日に引き続き大分県別府市のADEドローンサッカーアリーナでJDSF公式大会「JDSF Official Cup Round 3 in OITA」を開催しました。2日目はYouth Class（Class20）の部です。

 

参加したのは7チーム。愛媛のポンポンみかんは先月の京都大会に続き2回目の参戦、そしてゴラッソサイタマは埼玉県から初参戦です。

 

試合はこの7チームによる予選トーナメントを行い、上位2チーム＋敗者復活戦で勝ち上がった1チームによる決勝リーグで優勝を目指します。

なお、今大会から5月に韓国で開かれた世界選手権大会でも使用された4m×8mのエアケージが採用されました。

 

 

 

試合数が多いので、予選は特に印象に残った試合をピックアップしました。

 

ゴラッソサイタマ vs JKD

前回の大分大会から参加しているJKD。こちら情報科学高校ドローンサッカー部の1年生がメインのチームです。今年、情報科学高校全体の部活で野球部に次いで新入部員が多く入部したドローンサッカー部。より試合経験が積めるよう、下部組織的にチームを編成し試合に参加しています。

一方、今大会が初めての対外試合となるゴラッソサイタマ。お手並み拝見といったところでしたが、第1セットを2-1で先取しました。
ドローンボールの機構をよく理解し、また試合中指をさしながらしっかりとチーム内のコミュニケーションを図りつつ試合を進めるあたり、初参戦とは思えません。第2セットを落としたものの、ファイナルセットを5-2で勝利し、初参戦にして初戦突破しました。

JKDはオフサイドがなかなか解けず、得点を重ねることができませんでした。

 

ポンポンみかん vs DRONE MOVE天草

前回の京都大会から参戦した愛媛県のチーム・ポンポンみかん。京都大会では2戦して2点しかあげられませんでした。しかも2点のうち1点は相手のフライングによるものです。前回からどのくらい修正してこの試合に臨むのか注目していました。一方のDRONE MOVE天草は前回の大分大会で優勝しています。

第1セット、ラスト10秒で3点をあげるなど強さを如何なく発揮したDRONE MOVE天草。第1セットを17-5で先取。続く第2セットも攻撃の手を緩ることなく18-1で勝利しました。

ポンポンみかんは、王者・DRONE MOVE天草から合計6点を奪いました。前回大会から大きな飛躍です。オフェンスもディフェンスも国内トップクラスの天草から5点もぎ取ったのは自信になることと思います。

 

予選トーナメントでファイナルリーグに進んだのはDRONE MOVE天草と星翔高校BIRD ONE、そして敗者復活戦を勝ち上がったJKDの3チームでした。

 

 

この他、予選トーナメントにおける各チームについてですが星翔高校BIRD ONEは決断の早さが印象に残りました。ストライカー・ZARAME選手が飛べないと見るや、すぐにリタイヤ。オフサイドを素早く解いて、あとは仲間に任せた！というチームメイトを信頼している証です。

ZARAME選手

 

TEAM MEIHOは試合を重ねるにつれ、チームとしてのカタチがようやく固まってきたように感じられました。また墜落している相手ストライカーにチャージをかけるなど、相手の動きもよく見えるようになってきました。

 

情報科学高校ドローンサッカー部は、とても統制の取れたチームです。機体のメンテナンスゾーンの美しさがそれを物語っているのではないでしょうか。

 

 

【ファイナルリーグ】

星翔高校BIRD ONE vs DRONE MOVE天草

前回の大分大会の覇者・DRONE MOVE天草と、8月の岐阜大会の覇者・星翔高校BIRD ONEという実力者同士の戦いとなりました。
第1セットは序盤シーソーゲームでしたが終盤に星翔高校が一歩アタマ抜け出し、そのまま14-9で先取。第2セットでは勢いそのままに11-5でDRONE MOVE天草から勝利を奪いました。これほど点差をあけられて敗北したDRONE MOVE天草はストライカーのオカピー選手が徹底マークされ得点を重ねられなかったのが響きました。また星翔高校は選手たちの後ろで応援するチームメイトの存在も大きかったのではないでしょうか。

 

JKD vs DRONE MOVE天草

 

天草との大一番を前に、JKDと情報科学高校が大きな円陣を組んで挑んだこの試合。第1セットを14-11でJKDが先取しました。続く第2セットは天草が本来の強さを取り戻し、さらにJKDのストライカーがリタイヤしたことで数的有利に立ち16-3で天草がセットカウントをタイに。ファイナルセットは抜きつ抜かれつの大接戦。最後は試合経験で勝るDRONE MOVE天草が13-10でJKDを振り切り勝利を収めました。

 

星翔高校BIRD ONE vs JKD

まだチームを作って2大会目のJKDと8月の岐阜大会優勝の星翔高校BIRD ONE、ものすごい接戦となりました。星翔高校は勝てば今大会優勝です。ところがプレッシャーからか、第1セットを8-11で落とした星翔高校、第2セットは稀にみるシーソーゲーム。12-11で星翔高校が逃げ切るか？！と思った瞬間、JKDが同点に。試合時間残り1秒の出来事です。土壇場でドローに持ち込まれた星翔高校、精神的に追い詰められました。

ファイナルセットは一転、緊張感に支配され硬直した試合展開に。双方ディフェンス陣の踏ん張りとストライカーへの徹底したチャージでなかなか得点が入りません。そんな展開の中最後は星翔高校がJKDを振り切り、6-4でファイナルセットを取りました。

これでこの試合、1勝1敗1分けのドローとなりましたが、総得点で27-26となり、なんとJKDの勝利となりました。

 

 

ファイナルリーグ戦のあとにドラマが待っていました

 

全試合を終えた時点で、3チームが1勝1敗で同成績となりました。ここで勝敗を決するのは総得点です。

 

 

総得点を見ると、DRONE MOVE天草とJKDが同得点で同率1位となりました。

 

 

最終決戦は、サドンデスで

 

JKD vs DRONE MOVE天草

全試合を終えたDRONE MOVE天草、機材やバッテリーなどをすでに撤収していましたが、急遽先に得点をしたチームが勝ちの「サドンデス方式」で優勝決定戦に駒を進めました。まさかの展開です。一方JKDは、敗者復活戦からここまで戦い、このサドンデスで先に得点をすればその時点で優勝。まさに下克上が完成します。

 

勝敗はあっけなく決着しました。勝負の行方は動画でご覧ください。

 

敗者復活戦から勝ち上がったJKDが見事初優勝を飾りました。まだ公式戦2戦目。情報科学高校に今年入学した1年生チームが驚くほどの成長です。

 

※結果※

【優勝】JKD

ひめはる選手「実は自分の誕生日で、そんな日に優勝できて嬉しいです。JKDはまだ2回目の出場ですが、優勝することが出来ました。また優勝できるように、これからまた日々の練習を頑張りたいと思います。ありがとうございました」

 

【第2位】DRONE MOVE天草

まさかっちゃん選手「昨日も2位、今日も2位でした。もう帰り支度していたんですが、まさかサドンデスになって、いい体験をさせていただきました。ありがとうございました」

 

【第3位】星翔高校BIRD ONE

ZARAME選手「優勝宣言したのに負けてしまいました。みなさん思っていた以上に強かったです」

 

中﨑理事の総評

「何が起こるか分からないなぁというのが今日の感想。最後の最後まで諦めない姿がこのサドンデスを生んだと思います。本当にギリギリでシビレるようなバトルをたくさん見せていただきました。みなさん色んな思いを抱いて今日来られたと思いますが、それはどこまで達成できましたでしょうか。皆さんの中でそれぞれ満足感や悔しい想いをしたと思いますが、これが『スポーツ』です。これから技術やチームワークも作戦も磨きながら、またこの大会にご参加ください」

 

 

JKDの敗者復活戦からミラクル優勝で幕を閉じた今大会。いつもより1日が長く感じられました。
またこのような熱い熱い戦いが見られることを期待しつつ。

選手の皆さん、お疲れさまでした！