【大会レポート】JDSF Official Cup Round 4 in OITA(Youth Class=Class20)
大会レポート
2023.11.24
日本ドローンサッカー連盟(JDSF)の淡路です、こんにちは。
11月18日に引き続き、翌19日は大分県別府市のDrone Soccer Arena Oita Sanctuaryでドローンサッカー定期公式大会「JDSF Official Cup Round 4 in OITA」を開催しました。こちらはYouth Class(Class20)の部です。
参加したのは6チーム。
今回はいつもの形式(予選トーナメント+敗者復活+決勝リーグ)ではなく、総当たり戦方式で行いました。1チームあたり5試合を戦い、総勝利数で順位を決します。(勝利数が並んだ場合は総得点数)
今大会は15試合と試合数が多いので、ここからは印象に残った試合・チームについてレポートします。
まず注目したのは前回の大分大会で敗者復活戦から下剋上(優勝)を果たしたJKD。情報科学高校ドローンサッカー部の1年生が中心となって結成されたチームです。
いきなり山場が来ました
リーグ戦第2試合で組まれたのがJKD vs 情報科学高校ドローンサッカー部の一戦。双方にとって初戦から同門対決です。
奥:JKD、手前:情報科学高校ドローンサッカー部
JKD vs 情報科学高校ドローンサッカー部
第1セット、終盤まで互角。ほぼ同時に得点を重ね合いました。これは「ミスをした方が負ける」という、まさに息を飲む展開です。そして残り1分、6-6の対スコアからJKDが勝ち越し突き放しました。結果第1セットを12-7でJKDが先取しました。
第2セットは打って変わってJKDが序盤から大きくリードする展開で先輩チームを圧倒しました。ディフェンスも厚く、情報科学高校のストライカー・猪俣選手と甲田選手は相手ディフェンスを1機かわしても裏からすぐにもう1機がチェックしてくるため、思うように試合をコントロールできていない様子でした。第2セットはJKDが13-4の大差で取り、情報科学高校ドローンサッカー部から勝利を挙げました。
試合終了を告げるブザーが鳴ったとき、空中にいたドローンボールはわずか3機だけ。まさに総力戦でした。そして、前回の優勝が決してまぐれではないことをJKDは証明しました。
覚醒の予感
今年の8月から参戦の徳島支部所属「スカイガーディアン」。このところチカラをつけてきたチームです。
前回の京都大会で待望の初勝利を挙ました
前回の京都大会
TEAM MEIHO vs スカイガーディアン
TEAM MEIHOは試合当日、選手のひとりが体調不良のため欠場。全試合を4人で戦うことを強いられました。
一方のスカイガーディアンはストライカーのツートップが数的有利を生かし、縦横無尽にTEAM MEIHOのゴールに襲い掛かります。初戦ということでスカイガーディアンにも硬さが見られたものの、第1セットを5-1でスカイガーディアンが先取、第2セットはその硬さも取れ13-3で連取。勝利を収めました。このところ毎回参戦しているTEAM MEIHOも第2セットは随所に良いところを見せましたが、数的不利からゴール前が大きく空いてしまう場面が多くあり、課題を残しました。
スカイガーディアンはチーム代表の牛田会長をキーパーに据え、そのどっしりとしたディフェンスで2セット合計4失点に留めるとともに、ストライカーのラーメンマン選手と うめぽんず選手が息ぴったりの攻撃を見せました。
自身のドローンサッカーのカタチが完成すれば、もっと上位を目指せるチームに覚醒する予感がしました。今後のスカイガーディアンに注目していきたいと思います。
突出した強さの星翔高校BIRD ONE
大阪から参戦の星翔高校BIRD ONE。現在トーナメントランキング(2022年〜23年の2年間の累計ポイント)で1位、2023年シーズンランキング(今年度の獲得ポイント)で2位につけています。
星翔高校BIRD ONE vs JKD
ここまで4勝同士、勝った方が優勝という1戦です。つまり決勝戦。試合前、両チームに緊張感が漂います。
アリーナの内(JKD)と外(情報科学高校ドローンサッカー部)全員がひとつになって円陣。
情報科学高校ドローンサッカー部の首藤キャプテンがJKDのメンバーに声をかければ
星翔高校の監督・中谷さんとコーチの佐々木さん(星翔高校OB)も一人ひとりに声をかけて選手を鼓舞します。
第1セット、序盤から星翔高校が4点のリードを奪いスタートダッシュに成功。そこからはJKDも必死に食らいつき点の取り合いとなり瞬(まばたき)きもできないほどの互角の勝負に。しかしながら最後までこの4点差を縮められることなく14-10で星翔高校BIRD ONEが第1セットを先取しました。ドローンサッカーの試合は最初の1分間が重要と言われますが、まさにその通りの結果になりました。
第2セット、先制したのはJKDでした。しかし星翔高校もすぐさま同点に追いつき、最初の1分は互角の勝負に。
このまま点の取り合いになるかと思いきや、JKDのストライカー・神様(かんさま)選手がリタイアするアクシデントが。JKDのもうひとりのストライカー・わちこ選手が孤軍奮闘するも、数的不利に加え星翔高校の強固なディフェンスに阻まれこのセットを終わってみれば14-5の大差で星翔高校BIRD ONEが勝利。見事優勝を果たしました。
戦い終わってノーサイド。星翔高校BIRD ONEの選手がJKDの元に駆け寄り一礼。ドローンサッカーが歴とした「スポーツ」であることを実感させてくれる瞬間です。
【全試合の結果】
【優勝】星翔高校BIRD ONE
ZARAME選手「前回は情報科学高校さんに負けて悔しかったのですが、今日は勝ててよかったです」
【第2位】JKD
神様(かんさま)選手「皆さん対戦ありがとうございました。星翔さんに負けたのは悔しかったですが、本当に強かったです。でもJKDの仲間と一緒に戦えて楽しかったです。(星翔高校について問われて)いろいろ対策して戦っているなぁと思いました。次に対戦するときは絶対に勝ちたいです」
【第3位】情報科学高校ドローンサッカー部
首藤選手「3位という、ちょっと悔しい順位ですが次の大会はJKDに勝って、そして星翔高校にも勝って優勝したいと思います」
(JKDと星翔高校、負けて悔しかったのはどっち?の質問に)「そりゃあ、JKDですね(笑)練習では和気あいあいとしながらもライバルが多いなか切磋琢磨しあっています。これは先輩方の代ではなかったことだと思います」
中崎理事の講評
「ドローンサッカーってバリアフリースポーツとして、あらゆる年代の方に楽しんでいただけるスポーツでなんですが、最近はどんどん低年齢化しています。最初のころ参加していたのは大人だけだったのが、その面白さや魅力に気づいて、こうして若い皆さんが取り組んでくださっているのはとても素晴らしいこと。競技者の年齢が下がってくるということは、ドローンサッカーをやりたい人がどんどん増えていく、つまりマーケットが大きくなっていく兆候のひとつなんですね。皆さんの仲間がこれからもっともっと増えていく可能性に近づきました。皆さんはドローンサッカーのパイオニア、つまり先駆者です。この2年の間にテクニックも向上し、試合ごとに作戦を変えたりセットごとに選手を変えていくことができるようになった日本のドローンサッカーは素晴らしいなと実感しました。みんな力を合わせてワールドカップで日本を世界一にしましょう!」
全15試合を終えて星翔高校の優勝で幕を閉じたJDSF Official Cup Round 4 in OITA。前回の大分大会では悔しい思いをした星翔高校BIRD ONEは緻密な準備を重ねているチーム。分析をし、そして練習する。そこにはチームなりのちゃんとした理論があるのです。今日は総合力で優った、その価値に相応しい優勝でした。(中崎理事・談)
長い1日でしたが選手の皆さん、エキサイティングな戦いをありがとうございました!