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【大会レポート】JDSF Official Cup Round 5 in OITA(Youth Class=Class20)

大会レポート

2024.1.26

日本ドローンサッカー連盟(JDSF)の淡路です、こんにちは。

前日1月20日に引き続き、翌21日は大分県別府市のDrone Soccer Arena Oita Sanctuaryでドローンサッカー定期公式大会「JDSF Official Cup Round 5 in OITA」を開催しました。この日はYouth Class(Class20)の部です。

 

今大会の顔ぶれ

 

チーム「Uemura Children」は久しぶりのエントリー。調べてみたら今年度初めての参戦でした。部員が増えましたかね。

Uemura Children

 

前回の大分大会は6チーム参加だったので総当たりのリーグ戦を行いましたが、今回は7チームとなったので予選トーナメントで勝ち上がった2チーム+敗者復活戦で勝ち上がった1チームの3チームによるファイナルリーグ戦(総当たり)で競いました。

 

今大会で成長のあとが見られたのは2チーム。

 

TEAM MEIHO

今年度4試合出場していますが、ドローンボールの墜落が多く、そこから復帰するまでゴールがガラ空きになるなど課題が多かったTEAM MEIHO。

予選トーナメント1回戦のきっとすき戦ではこれまでと違い、ディフェンスが良く機能していました。自ら強く体当たりを仕掛けることをせず、ドローンボールから出る風を上手く利用したディフェンス技術を身につけていたのです。「当てて落とす」のではなく、風を利用する。こうすることで自らの墜落や機体の破損のリスクが大きく低減できます。

 

ディフェンスだけではありません。ストライカーの得点力も上がっていました。

きっとすきから得点

現在シーズンランキングで8位につける きっとすき相手に第1セット7-10で落としたあとの第2セットを9-8で接戦もものにしてセットカウント1-1に持ち込みました。迎えた第3セットは試合終了1分前に4-5から6-5に逆転。粘りを見せました。試合終了8秒前に同点に追いつかれて総得点できっとすきに敗れましたが、試合巧者・きっとすき相手に大健闘です。これからもっと試合経験を積めば、さらに強くなりそうな予感です。


敗戦はしたものの、どこか満足気な柳樂選手

 

ポンポンみかん

京都大会も大分大会にも参戦しているポンポンみかん。愛媛県のチームです。公式戦は未だ勝利がありません。
予選トーナメント1回戦ではUemura Childrenと対戦しました。

ストライカーのヒロシ選手とタツヤ選手のコンビネーションがこれまでの試合から大きく進化していたポンポンみかん。
1機が前に出ると、もう1機は後ろで待機するという、ドローンサッカーでは王道的なシフトではありますが、この基礎をきっちりと練習してきました。

この日の大会のオープニングゲームということもあり、第1セットは硬さが見られたものの、第2セットでは冷静に得点を重ね、第1セット4-2、第2セット7-1で勝利を飾りました。


一方のUemura Childrenは今年度初参戦。墜落したストライカーのドローンボールがケージの隅に挟まるなのどのアンラッキーもありましたが、控えの選手もよく声が出ており試合勘さえ取り戻せばもっと互角に戦える雰囲気を持っています。次戦に期待したいです。

 

意地を見せたのが情報科学高校ドローンサッカー部

予選トーナメントの予選で情報科学高校ドローンサッカー部が対戦したのは、後輩たちで構成するチーム「JKD」。前々回の大分大会(Round 3)では敗者復活戦から優勝を勝ち取る「下克上」を成し遂げ、前回の大分大会においても準優勝。そのときの予選で情報科学高校ドローンサッカー部はJKDにセットカウント0-2で敗れています。先輩チームとして負けられない一戦です。


情報科学高校ドローンサッカー部

 


JKD

予選トーナメントで激突した両チーム。第1セット、JKDにアクシデントが。ストライカー・神様(かんさま)選手が開始直後にリタイアし、もうひとりのストライカー・わちこ選手の1トップ態勢となりました。数的有利を活かし、情報科学高校ドローンサッカー部が7-3で第1セットを先制しました。第2セットは神様選手が復帰。機体のコンディションをしっかり整え実力を発揮し、第2セットを12-9でセットカウントをタイにしました。第3セットは情報科学高校ドローンサッカー部のディフェンス陣が冴えていました。3機のフィールドプレーヤーがゴールに密集。ゴール前をしっかり固めました。JKDの猛攻も4点どまり。情報科学高校ドローンサッカー部が11-4でファイナルセットをものにし、見事JKDから勝利を収めました。

 

 

やはり強かった星翔高校BIRD ONE

大阪から参戦の星翔高校BIRD ONE。この大会に集計したトーナメントランキング(2022年〜23年の2年間の累計ポイント)で現在1位、2023年シーズンランキング(今年度の獲得ポイント)においても1位につけています。

予選トーナメントでポンポンみかん相手に第1セット22-5、第2セット23-3で圧倒しファイナルリーグに進出した星翔高校BIRD ONE。まさにスキなし。

ファイナルリーグにおいても情報科学高校ドローンサッカー戦では18-8、14-7で勝利し、1勝同士で対戦したJKD戦でも15-6、17-5で危なげなく下して2戦全勝で見事優勝を飾りました。

今大会での星翔高校BIRD ONEは高い得点力と強固なディフェンスがガッチリ噛み合っていました。

特にこの日に向けて練習していたと語ったストライカーのコンビネーション。ZARAME選手・ひよちゃん選手・やましょー選手の3名が交代で務めました。これまで2機セットで飛んでいたため、味方同士で衝突してしまうことがあったストライカーですが、今大会では1機のストライカーが相手ゴールに攻め込んでいる間はもう1機は自陣側で待機。ゴールを決めて全機自陣に戻った瞬間に次のストライカーが攻撃するパターンを徹底的に練習したそうです。また意図的に相手のタイミングをずらしてゴールに飛び込む技も光りました。

優勝を決めてプレッシャーから解放されたのか、涙ぐむやましょー選手を労う中谷先生。

 

試合後は相手チームに出向いて一礼。そう、ドローンサッカーはスポーツなのです。

 

 

 

 

 

 

【優勝】星翔高校BIRD ONE

やましょー選手「今回1年生のひより選手と一緒に初めて出場して、しかも最高点を叩き出せたのでよかったです」

ZARAME選手「今日はチーム全員が絶好調でした」

 

【第2位】JKD

シャチ選手「2位というのは嬉しいですが、最後は星翔高校さんに負けてしまったのは悔しいので、次回はこの経験を活かして絶対優勝したいです」

 

【第3位】情報科学高校ドローンサッカー部

首藤選手「今回の試合は悔しい結果になりましたが、これを糧として次の大会では優勝を目指してがんばります!」

 

中﨑理事の講評

「年始に大きな自然災害や航空機事故などありました。今日、こうしてドローンサッカーができる幸せを噛みしめながら一日過ごさせていただきました。まずはありがとうございました。

それぞれのチームが普段からしっかり努力していたことを皆さんは見届けてくださったと思いますので、ぜひ後に続いてほしいですね。いま上位にいるチームに共通していることは、得点が入ってから次の得点を決めるまでの間隔が非常に短いですよね。連続で点が入れられる。これはまず1機が相手を切り崩して、その直後に空いたゴールに飛び込む。これはclass40でも通用する戦法です。class40はストライカー1機ですが、もう1機『ガイド』という役割の選手が相手のゴール周りにいるディフェンスを飛ばしたりフェイントをかけて揺動してから、ストライカーが確実にゴールを決めるというパターンが確立されています。class20でもストライカー2機でこのような連続パターンを身につけると、class40に移行したときに容易に上位を狙うことができると確信しています。

2025年に韓国でワールドカップが行われますが、それに向けて世界の各地でデモンストレーションが行われる予定ですし5月には世界選手権(プレワールドカップ)が行われます。ここではclass40もclass20も行われますので、日本代表の選出の方法は2024年度に枠組みを決めてワールドカップに殴り込んでいただける選手が皆さんの中から出てきていただければいいなぁと思います。まだ先は長いですが、技術と精神のレベルを上げて挑戦してください」

 

試合を重ねるごとに参加チーム全体のレベルの向上が見て取れるこのところのJDSF Official Cup。
2023年度の試合も残りわずかです。そして4月からは2024年度のスタート。第1回FIDAワールドカップの前年にあたります。JDSFではこれからも世界で戦える選手・チームの育成に注力してまいります。

選手の皆さん、お疲れさまでした!

 

この日の大会の様子は前日に引き続きYouTubeライブ配信をいたしました。

 

ぜひご覧ください!

▼予選トーナメント

▼敗者復活戦・ファイナルリーグ