【大会レポート】JDSF Official Cup Round 6 in OITA~class20
大会レポート
2024.3.29
日本ドローンサッカー連盟(JDSF)の淡路です、こんにちは。
3月23日のclass40に引き続き、24日はclass20の今年度最終戦となるドローンサッカー定期公式大会「JDSF Official Cup Round 6 in OITA」を開催しました。
参加したのは8チーム。
初参戦の「いな☆クル」は愛知県稲沢市のチーム。直前に2名が欠場したので3名での参加となりました。
そしてHiroshima Works Teamもこのクラス初参戦。全日のclass40での勝利が叶わなかったので、class20でまず1勝を目指しました。
まずは結果から
優勝:星翔高校BIRD ONE
シードから危なげなく勝ち上がった星翔高校BIRD ONE。ファイナルリーグは全てのチームが優勝経験のある強豪でしたが見事2勝を挙げ優勝を果たしました。
第2位:JKD
前回大会に引き続き2位となったのがJKD。前回も予選では先輩チーム・情報科学高校ドローンサッカーに敗れましたが今回は雪辱を晴らしてファイナルリーグに進出し第2位となりました。
第3位:DRONE MOVE天草
ここからはダイジェストで。
待望の1勝
【ポンポンみかん vs Hiroshima Works Team】
ユウト選手とユズキ選手の中学3年生コンビがストライカーを務めるHiroshima Works Team。予選トーナメント1回戦で愛媛のポンポンみかんと激突しました。
ポンポンみかんは、これが大会参加4回目。徐々にチームとしてのカタチが出来てきたのではないでしょうか。
この試合、Hiroshima Works Teamのディフェンス3バックがよく機能していました。ゴールのうえに陣取り、風圧でポンポンみかんの攻撃を防ぎます。機体をぶつけないので損傷することなく相手を落とす。大変効率のいいディフェンスです。
またユウト選手とユズキ選手の2TOP も時間差を使った攻撃を見せるなど、ドローンサッカーをよく研究してきたことを発揮していました。
一方ポンポンみかんはストライカーのリタイアなど数的不利もあり、健闘はしたものの及ばず。Hiroshima Works Teamが11-2、9-2で初勝利を収めました。
ホロ苦デビュー
【いな☆クル vs 情報科学高校ドローンサッカー部】
愛知県から参戦の「いな☆クル」。稲沢市を拠点にインクルーシブ社会の実現を目指す市民団体だそうです。直前に2名が欠場したのは残念でした。
対戦したのは情報科学高校ドローンサッカー部。日本で初めての高校の部活チーム。いきなり強豪と対戦することになりました。
第1セット、いな☆クルにハプニングがありました。1機のプロペラの付け方が間違っており、まったく飛べない状態になっていました。それでなくても3人で試合に挑むという不利な中、第1セットを2人での戦いを強いられました。第1セットを1-22で落としました。
第2セットはハプニングのあった機体も復帰し3機での戦いになりましたが、相手は部活チーム。3-19で初戦負けを喫しました。
厳しい船出となりましたが、それでも情報科学高校ドローンサッカー部を相手に2セットで4点獲れたのは大いに健闘したと言ってよいでしょう。メンバーが揃えば、もっと相手を苦しめる存在になれる可能性を秘めています。今後に期待したいところです。
激闘となりました
【JKD vs DRONE MOVE天草】
強豪同士の一戦。前回の対戦は大分第3戦。そのときはファイナルセットまでもつれた末セットカウント2-1でDRONE MOVE天草が勝利しました。ただこの大会で劇的な優勝を果たしたのがJKDでした。(大分第3戦レポート)
第1セット、JKDは強固なディフェンスを見せました。DRONE MOVE天草の攻撃をことごとく跳ね返します。ゴール前でコンパクトなフォーメーションが機能していました。その結果、強豪DRONE MOVE天草を7失点に抑え、16-7でこのセットを先取しました。
続く第2セットはDRONE MOVE天草は第1セットでフィールドプレーヤーを務めていたオカピー選手がストライカーに交代。互角の戦いとなりました。第2セット開始1分35秒まで5-5の対スコア。その後DRONE MOVE天草がリードを奪います。このまま逃げ切るかと思われましたが、最後の1分間は息をのむ展開。点の取り合いとなりました。どちらのチームに点が入っても会場がどよめきます。途中JKDのストライカー・かいかい選手がリタイアしてからは、もうひとりのストライカー・わちこ選手が奮闘。ラスト10秒でJKDが勝ち越しに成功し、10-9でJKDがこのセットを奪還しました。
迎えた運命のファイナルセットは意外な展開。タイヨー選手とオカピー選手がリタイヤを余儀なくされ、あっけなくJKDが勝利を掴みました。13-3。思うわぬ点差がつきました。
シャチ選手の応援もチカラになりました
敗者復活戦で初の出来事
【KIT-SUKI vs ポンポンみかん、DRONE MOVE天草】
初戦敗退したKIT-SUKI、敗者復活戦1セットマッチに挑みました。初戦はポンポンみかん。3分間の激闘でしたが、終わってみれば8-8のドロー。この場合は先に点を取ったほうが勝ちのサドンデス方式で勝敗を決します。
この試合ではKIT-SUKIが先にゴールを決め、勝利しました。
続く敗者復活戦決勝、KIT-SUKIはDRONE MOVE天草と対戦。この試合でも7-7のドロー。サドンデスでDRONE MOVE天草が勝利をもぎ取りました。敗者復活戦でひとつのチームが2回サドンデスとなったのはドローンサッカー史上初めての出来事でした。
ファイナルリーグは大激戦
【JKD vs 星翔高校BIRD ONE】
誰が呼んだか「攻めの星翔高校、守りのJKD」。圧倒的な得点力を誇る星翔高校BIRD ONEと強固なディフェンスを誇るJKD。ポイントランキングにおいても上位同士の戦いとあって注目を集めた一戦です。
ストライカーが1機落とされても、もう1機がすぐに相手ゴールに襲い掛かるJKD、JKDのコンパクトでタイトなディフェンスを無理に突破せず引き返す星翔高校BIRDONE。第1セットから両チームのゴール前で繰り広げられる駆け引きでしびれるような展開です。
勝敗のカギとなったのが星翔高校BIRD ONEのフィールドプレーヤー・ゾーン西野選手。相手ストライカーにどこまでもぴったりと付きまとうマンマークを見せました。ヘッドコーチの西谷さんが「ゾーン西野は落ちたストライカーを助けに来たドローンボールも狩るんですよ」と評する選手です。
攻守がガッチリ噛み合った星翔高校BIRD ONEが第1セット9-6、第2セット11-3でJKDに勝利しました。
本日2回目の対戦
【DRONE MOVE天草 vs JKD】
強豪・DRONE MOVE天草相手に「守りのJKD」がしっかり機能。攻撃面もJKDのストライカー・神様(かんさま)選手とわちこ選手が着実に得点を重ね、第1セットをJKDが12-6で先取しました。
第2セットは一転、激しい点の取り合いに。終始JKDが試合を支配していましたが、このセット終了7秒前にDRONE MOVE天草が同点に追いつきドローに持ち込みました。
ファイナルセット、いつもはキックオフシュートを狙う天草ですが、このセットはストライカー2機でまずはJKDのディフェンスを崩す作戦に出ました。それだけJKDのディフェンスが鉄壁だったことの表れです。中盤まで互角に渡り合っていましたが、タイヨー選手のリタイアで得点力が落ちたことに乗じてJKDが一気に突き放し、ファイナルセットを12-5でJKDが勝利。予選トーナメントだけでなくファイナルリーグでもDRONE MOVE天草を破りました。
DRONE MOVE天草が勝てば全チーム1勝1敗となる一戦
【星翔高校BIRD ONE vs DRONE MOVE天草】
第1セット、追いつき追い越しまた追いつきの連続という、息をするのも忘れるほどの緊迫した展開でしたが、最後の10秒で星翔高校BIRD ONEが怒涛の3連続ゴールを決め、14-11でこのセットを取りました。
そしてエースストライカー・ZARAME選手を下げてバイトセンシ選手&ひよちゃん選手の2TOPで第2セットに臨みました。ストライカーが交代しても勢いがまったく衰えない星翔高校はこのセットを21-4の大差をつけ勝利。選手層の厚さを見せつけたカタチで優勝を決めました。
この大会をもって引退するマッスル小川選手も有終の美を飾りました。
中﨑理事の講評
今日は全員に対して「おめでとうございます」を贈ります。順位は付きましたが、それぞれの目標があったと思います。それぞれの心の中で今日の達成感を抱いてください。今日は内容の濃い一日でした。昨日のclass40迫力があって面白かったですが、今日のclass20はどの試合も素晴らしくてベスト試合は?と聞かれても答えられないくらいレベルの高い戦いをしてくれました。class20の部はこの1年間で急速にレベルが上がりました。これは毎回この大会に参加してくれている皆さんが結果に応じてまたテーマを設けて練習をして、そして大会で試してレベルを上げている。それを見た他にチームがマネをしてレベルが上がるといういい連鎖が起きています。強いチームは常に目標にされ、新しいチームはその目標に向かってマネをしながらさらにオリジナリティを加えて大きくなっていくという1年でした。現在全国に53のアクティブなチームがあります。4月からまた新たな1年がスタートしますが、一気に100チームにまでは増えるのではないかと思っています。この多くの、いろんな特徴のあるチームがバリアフリーで楽しめる競技はドローンサッカーであり、今日ここに集まっている皆さんの顔を見ていても年齢も違えば性別も違ってキャリアも違う。さまざまな職業のひとたちがひとつのフィールドで戦えるスポーツって、他にないのではないかと思っています。今のポジションとしては、このclass20は世界選手権やW杯というところに出て行ってもベスト3には入ると自信をもって言えます」
よく声が出ているチームは強い
大会を終えて毎回思うことですが、試合中チーム内の声によるコミュニケーションはとても大切。よく声が出ているチームは強いなと思いました。特に星翔高校BIRD ONEと情報科学高校ドローンサッカー部&JKDは試合に出ていない選手・コーチも一体になって戦っています。声援は選手を鼓舞し、ハイパフォーマンスを引き出します。
お互い切磋琢磨してレギュラーの座を競い、試合に出られないときは全力で応援する。気づいた課題点は共有してそれを解決するため練習をする。
こうしてチームとして成長してその成果を試合で発揮する。これが続けば日本のドローンサッカーはもっともっと盛り上がります。
新年度(2024年度)の公式戦は4月20日・21日。ここ大分で開幕します。大会詳細
またさらにレベルアップしてここに集いましょう!
選手の皆さん、お疲れさまでした!
大会の様子はYouTubeでご覧いただけます
予選トーナメント
予選~敗者復活戦~ファイナルリーグ